高校時代(8)チープなグラフィックでも面白かったアドベンチャーゲーム
電波新聞社のナムコ移植作品を堪能したところでMZ-1500の本体性能に限界を感じ、中学時代に指をくわえて眺めるだけだったアドベンチャーに手を出した。
プレイしたアドベンチャーゲームのなかで強烈に記憶に残っているのが「デゼニランド」「惑星メフィウス」、そして「タイムシークレット」の3本だ。
前者2本は有名作なので、プレイの感想などは割愛する(みんなと同じ評価なので)。しかし、最後の「タイムシークレット」を知る人は少ないだろう。
Wikipediaから引用・アレンジさせてもらうと、「タイムシークレット」は、ソフトメーカーとしては規模の小さな「ボンドソフト」という会社から発売され、広告も雑誌の後ろのモノクロページに細々と掲載される程度で、決して脚光を浴びる境遇ではなかったが、マイコンBASICマガジンの『チャレンジAVG&RPG』コーナーで取り上げられ、山下章が高く評価したのをきっかけに知名度が上がったアドベンチャーゲームだ。
この「タイムシークレット」の胡散臭いモノクロ広告を見ると、対応機種欄にMZ-700の名前がある。「おや? MZ-1500はMZ-700の上位互換なので、遊べるな……」
しかしMZ-700版の画面写真を広告で見ると、MZ-700は高精細なグラフィック機能を持っていないので、画面は今で言うところの「やる夫」みたいなキャラクターグラフィック(アスキーアート)で構成されていた。
オレは大いに悩んだ。広告は雑誌の後ろのモノクロページに細々と掲載される程度で胡散臭いし、メーカーも聞いたことないし、MZ-700版の画面はキャラクターグラフィック(アスキーアート)だし、どう見ても地雷臭がハンパない。
しかし、「アドベンチャーゲームにグラフィックは関係ない」という信念の元で、半信半疑で本作のカセットテープ版を購入してプレイしてみたら、ものすごく面白かった。
この「タイムシークレット」を好意的にプレイできたのが、昔から小説が好きだったこともあるかもしれない。
例えるなら映画と小説のようなもので、グラフィックがチープでも、シナリオが面白ければゲームは面白いということを、この「タイムシークレット」は教えてくれた。
あと記憶に残っているのはMZ-1500版「ロードランナー」だ。
当時「ロードランナー」はファミコンでも遊べたし、アーケードでもアイレムが出していた。
が、MZ-1500版「ロードランナー」は、画面がブローダーバンドがアップルII向けに発売した本家「ロードランナー」に似ていて、本物感が漂っていたので購入した。
ファミコン版やアーケード版よりも遊びやすかったし、ステージ数も多くてコストラクション(エディット)モードもついているなど、とにかくゲーム本編は面白く、かつ多機能で大ボリュームで大満足だったのを覚えている。
いま振り返ってみても、MZ-1500版はいい移植だったと思う。
MZ-1500はがっかりハードではあったが、それなりに楽しませてもらった。
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