ゲーム総合誌「ゲーマガ」の元編集長・ウメPが、いろいろ書き散らかします

予備校時代(8)ピンボールとの出会い

予備校時代の1年間だけでも、かなり濃厚なゲームライフをエンジョイしていたと思う。

前も記事に書いたけど、アーケードでスクロールシューティングを遊んでいるときに、友人の溝口から「うめさん、そんな家庭用にすぐにでも移植されそうな平凡なゲーム、よく遊ぶね? オレは遊ぶ気がしない」とゲームの選球眼のあまさを指摘され、それを機に家庭用風味のゲームはまったくプレイしなくなった。

新しいゲームを見かけても「これ、こういう展開でこんな内容だろ」と先が読めてしまい、100円を投入することを躊躇するようになったのだ。オレのなかでジャンルが飽和してきたのである。特に縦横スクロールシューティングと横スクロールジャンプアクションは、それが顕著だった。

そんなある日、たぶん秋頃だったと思うが、予備校隣のゲーセンに「ピンボット」というピンボールが置いてあって、それを顔見知りがプレイしていた。

重力でフィールドを転がってくる金属のボールをフリッパーで弾き返す物理ゲームで、オレの好きなコンピュータテクノロジーはそこにほとんどない。

ピンボールなんて今まで見向きもしなかったし、その友人のプレイも今思えばそれほど上手ではないのだが、遊び方を理解するとものすごく面白いことがわかった。

まずボールは物理運動なのでパターンがなく、同じプレイは二度と存在しない。またボールの動きを先読みする技術、スコアを効率よく稼ぐ攻め方、フリッパーのディフェンスとオフェンスの使い分け技術などなど、ただボールを闇雲にはじき返すだけでなく非常に奥が深いことがわかった。

そしてピンボールはスコアを稼ぐと「リプレイ」といってクレジットがもらるので、うまくなってくると常にリプレイでクレジットをもらい続けることも可能になる。お金のない学生には打って付けだった。

ピンボールにも台によってストーリーや設定があり、豪華なBGMやボイスもついていたりして、脳内でドラマが補完されていた。ピンボールはアメリカ製なので、フィールドのテキストが全部英語なのもかっこよくて憧れた。

明日にでも家庭用に移植されそうなシューティングやジャンプアクションと違い、これぞアーケードならではのゲームだと強く確信した。

こうしてオレは、ピンボールにもだんだんとハマっていった。

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ウメ/プロフィール

92年セガ入社。AM2研でバーチャファイターなどの広報を担当、97年に雑誌の編集へと転身し、2004年にゲーム総合誌ゲーマガの編集長に就任。アイマス、街、逆転裁判、初音ミク、中川翔子連載、喜屋武ちあき連載、あきまん連載、Beep復刻版書籍などを担当。2012年4月ドワンゴに転職、2014年3月同社を退社。岐阜出身。今一番熱い趣味はコスプレ(イラスト:岩元辰郎)

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